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残業の指示は正当な業務命令であり、承諾は不要
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1.社員の承諾が必要かどうかについては、かつては
裁判所の判断が分かれていましたが、今では不要
とされています。
つまり、課長から「残業しろ」と命じられた部下は
嫌でも残業しなくてはならないのです。
もし、正当な理由がないのに残業を断ったら
業務命令違反で、懲戒処分にすることも可能
なのです。
2.色々理由をつけては残業の指示をきかないで
帰宅しようとする従業員を安易に認めてはい
ないでしょうか。
指示に従いまじめに残業をしている他の従業員
たちの不満を招き、職場全体の士気を低下させる
原因になってしまいます。
個々に事情を聞きその都度きちっと判断を下し
周囲が納得できるようにしていくことが必要です。
3.では、残業を断れる「正当な理由」とは何でしょうか。
個々の状況でケースバイケースですが、基準をあげる
としたら、誰がみてもやむをえないといえる客観的な
理由か否かです。
たとえば、
○インフルエンザなどの体調不良
○子供や家族に何らかのアクシデントが発生した
場合などです。
逆に、
○友人との飲み会
○趣味の集まり
などは、残業を断るだけの緊急性もなく正当な理由
とは言い難いと思われます。
もっとも、この判断には従業員本人の理由だけが問われる
のではありません。職場における残業の必要性や緊急性
も判断材料になるのです。
ですから、1人2人欠けても業務遂行に支障がない場合
には、残業を強制するのは控えた方が良いのではないで
しょうか。
4.以上のことは「残業しなさい」という命令が適法
であることを大前提に話をすすめてきました。
しかし、1日8時間、週に40時間を超えて残業をさせ
る場合で、以下の事に1つでも当てはまるとそもそも
残業命令それ自体が違法となります。
○「36協定」と呼ばれる時間外・休日労働の上限に関する
取り決めを労使間で結んでいない。
○「36協定」管轄の労働基準監督署長へ提出していない。
○労働契約書や就業規則に時間外労働について定めがない。
5.以上の手順をふみ、法定の割増賃金を支払い、36協定の
定める範囲内での残業や休日労働を命ずるのであれば、
従業員にはこれにしたがう法的な義務が生じます。
したがわない場合、 就業規則に定めがあるならば業務命令
違反として懲戒処分の対象とすることも可能になるのです。
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