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   就業規則を作成していなくても、解雇権はなくならない 

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1.雇用契約の性質上、使用者は本来的にその従業員を解雇
  する権限を持っています(民法627条)。
  
  ですから、就業規則を作成していないからといって、
  解雇権が当然になくなるものではないのです。

  しかし、実際には、就業規則などに解雇に関する定めを
  おき、解雇事由を定めている会社がほとんどのようです。
  実際に労働基準法は、退職に関する事項として解雇事由
  を必ず記載しなくてはいけない
ものと定めています。


2.では、就業規則で解雇に関する取り決めをすることには、
  どんな意味があるのでしょうか。

  判例では、就業規則に記載した事実だけに解雇事由を
  かぎり、使用者がみずから解雇権を制約するものであ
  るとしています。

  つまり、就業規則に解雇事由を列挙した場合、会社は
  記載された事実に該当した社員を解雇しうることを明
  らかにすると同時に、社員は記載されていない事実
  によっては解雇されない
ということを明らかにしたこと
  になるのです。

  そのため、会社としては、なるべく該当事由を広くとる
  ことができるように「そのほか前記の事項に準ずる理由」
  という解雇事由を入れておくのが一般的です。

 


3.このように、解雇権は就業規則などで定めた解雇事由
  により制約を受けるとするのが多数の判例の傾向です
  が、そもそも就業規則それ自体を作成していない場合、
  「列挙された解雇事由により解雇が制限されるか」と
  いう議論になりません。

  もちろん、就業規則の作成義務のある使用者が、就業
  規則を作成していないのであれば、労働基準法89条違
  反の
事実は認定されます。

  しかし、89条違反であることから、当然に解雇権がなくなる
  わけではないのです。
  (秀英社事件 東京地昭45年11月1日)

  結局、就業規則の作成義務がありながら作成せず、
  解雇に関する事項も決めていないような場合であっても
  結論的には、解雇できると解釈されているのです。

 

4.ただし、解雇権があると述べているだけで、具体的な
  解雇が適法かつ有効かは別問題になりますので注意
  して下さい。

  就業規則等での基準がない訳ですから、その判断は、
  裁判所の判断に委ねられます。
  そして、解雇の有効性の認定は一般的に厳格に判断され、
  解雇は無効とされやすいでしょう。

  結論としては、十分な解雇事由を記載したしっかりと
  した就業規則を整備しておくことが重要です。

 

 

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